身体の構造から影響するタイプ
本編で書ききれなかった身体の構造から影響するタイプを2つ紹介していきます。
最近、テレビなどで足の形を表す「オーバープロネーション」という言葉を見たり聞いたりされていることもあるかと思います。
これは内外のくるぶしを作る骨と踵を作る骨のはまり方が内側にズレることで生じます。

実はこのオーバープロネーションを起こしやすい身体のタイプもあり、発症のメカニズムも紹介します。
脾胃虚弱、胃の消化機能低下タイプ
腹診を行うと以下のような箇所に反応が出ることが多いです。

オーバープロネーションの主な原因は前・後脛骨筋の筋力低下とされていて、この前脛骨筋には胃の経絡が、後脛骨筋には脾(消化器全般を意味する)の経絡が通っています。
この2つの機能が低下するとその経絡上の筋肉の機能も低下しやすくなり、オーバープロネーション=過回内になりやすくなります。また,足を後ろから見るとすると,後ろから小指が見えます。
メカニズムとして、
脾の経絡の影響で後脛骨筋の筋力低下
→過回内
→前脛骨筋に負担
→元々前脛骨筋も胃の経絡の影響筋力低下しているため
→内側縦アーチ減少
→扁平足
→足底筋群に疲労が溜まりやすくなる
→足底筋膜炎
という順番で発症します。

次にオーバープロネーションとは逆のオーバースピネーションです。
これは内外のくるぶしを作る骨と踵を作る骨のはまり方が外側にズレることで生じます。
オーバープロネーションは内側に崩れますが、オーバースピネーションは外側に崩れることになります。
それにより,足を後ろから見ると親指が見えるようになります。

オーバースピネーションの主な原因は内転筋の筋力低下です。
内転筋の筋力低下を起こしやすい身体のタイプもあるので、発症のメカニズムと一緒に紹介します。
体温調節が苦手な腎虚タイプ
腹診を行うと以下のような箇所に反応が出ることが多いです。

内転筋が筋力低下を起こす要因として,内臓下垂が挙げられ,この内臓下垂になりやすいのが体温調節が苦手な腎虚タイプです。
内臓下垂とはその名の通り,内臓に元気がなくなり,下に落ちてしまった状態を言います。この状態で初めに起こる現象として,身体の重心が前になり,身体を支えようとして膝とつま先が外に向くようになります。
膝とつま先が外に向くとスネにある前脛骨筋が硬直します。
この前脛骨筋は土踏まずを作る頂点の骨に付着しているため,前脛骨筋が頂点を引き上げるように引っ張ることで,アーチの角度が大きくなり,ハイアーチになります。
ハイアーチになると,足底筋群は圧縮されるため,足底筋膜炎になります。

どんな治療?
それぞれのタイプに合った経穴(ツボ)を使い、組み合わせることで、以下のような効能があり、腹診や主訴の反応を軽減していきます。
脾胃虚弱、胃の消化機能低下タイプ
消化機能の回復 腸内環境の回復 内臓を引き上げる
免疫機関の回復 気の流れの調整など
+普段の食事で消化の良いものを摂る
胃と脾の経絡の流れが良くなるため、前・後脛骨筋がしっかり使えるようになります。
この状態になると、今まで姿勢を正しているつもりだか、実際にできているかわからない、といったこともが徐々になくなり、立っている時の身体の重心や、足の指が地面につく感覚、などが分かるようになっていきます。
体温調節が苦手な腎虚タイプ
腎機能の回復 内臓を引き上げる 機能が流れの調整 呼吸器系の回復など
+お腹を冷やさないようにする(冷たい飲食物を控えるなど)
↪︎内臓が引き上がることで、内転筋や腹筋に力が入りやすくなります。それにより姿勢が良くなる,以前よりも寒がりではなくなった,姿勢良く立つという感覚がわかるようになる、など実感されることが多いです。
※このタイプによる症状は回復するまでの期間は他のタイプと変わりませんが,症状の進行具合により,姿勢や寒がりの回復の速度が大きく変わってきます。
症状の出始めであれば,効果を実感するまでは時間がかかりませんが,お腹から下の冷えが強く,それらが慢性化している場合には効果を実感できるまでに時間がかかることが多いです。予めご了承いただきますよう宜しくお願い致します。
おすすめセルフケア
足底筋膜炎は特にスポーツをされている方、立ちっぱなしが長い方に多いので、足裏の筋肉自体をゴルフボールや青竹ふみなどでほぐすことも効果的です。
その際、痛みがあるところは避けて、痛気持ちいくらいに感じるところをほぐすようにしましょう。
足裏は二足歩行をしている以上、負担をかけやすい箇所なので,普段からケアしていくことをお勧めしております(私も15年程続けております)。
当院ではあなたがどのタイプなのかを検査、判別して施術を行います。
それにより、他で症状が軽減しなかった、もしくは薬を服用しているけど、症状が変わらないという方を根本的に改善します。
もし、不調で悩まれていたら、まだこのようなところにフォーカスして施術をしていないために、痛みや不調が長引いている可能性があるので、是非一度ご来院いただき、ご自身が現在どんな状態なのかを今一度立ち返り、一緒に治していきましょう。
お電話ありがとうございます、
かがみ鍼灸治療院でございます。