糖について

糖質は身体のエネルギー源として必要な栄養素です。
ですがお気づきになられている方もいるかと思いますが、症状ブログでも多く紹介しているように多く摂り過ぎてしまうと身体に様々な影響を及ぼす原因にもなります。
ではどのようにして糖質を摂ると良いのか⁇
どうして糖質を多く摂るのは良くないのか
それによる身体への影響は?
について、ご紹介していきます。

糖質はどのように摂取する⁇

糖質は身体のエネルギー源で、車でいうところのガソリンのようなイメージです。
糖質を多く含んでいるものは米やパンなどの炭水化物です。
ではどの食品が最適か。

それは米です。
(最近高騰していますが…)

米の主成分はでんぷんで、多糖類というブドウ糖(単糖類)がいくつもの連なってできているので、血糖値を緩やかに上げます。
また小麦粉のようにタンパク質を多く含んでいないため、パンよりも消化・吸収が良いとされています。

しかし、糖質は多くあるので摂り過ぎには注意が必要です。
以下、それぞれに含まれるおおよその糖質です。

パンはあまりよくない?

パンの主成分の多くがグルテンというタンパク質でグルテンは人間の消化酵素では完全に分解できないと言われており、粘性があるため、腸壁にへばりつきやすく、腸内環境の悪化など摂り過ぎしまうとさまざまな要因となる可能性があります。

また、米よりも糖質が多く含まれており、知らずうちにたくさんの量を取ってしまうことも多くなる傾向があります。

なぜ糖質を摂り過ぎると良くない⁇

糖質を摂り過ぎると良くない理由は

血管内に糖質が多く流れると血管を傷つける

腸内環境に悪影響を及ぼすこと

の2点です。

血管内に糖質が多く流れると血管を傷つける

糖がたくさん血管にあると、

・血管の壁を壊したり、

・神経のはたらきを鈍くさせる

・血管につまり、最終的には細胞を壊死(えし)させる

原因にもなります。
というのも、糖の分子は大きいので、血管を傷つけやすい構造だからです。

分解した糖を細胞に吸収しているのはインスリンという膵臓から分泌されるホルモンです。
実は
血管内の糖を細胞に取り込むはたらきをしているホルモンはインスリンだけです。

(インスリンとは反対に、身体の脂肪や筋肉を糖に分解してエネルギーにするホルモンはたくさんあるので、身体は本来、空腹に耐えられるように、そして満腹には不向きな構造とも言えます。)

血管内に糖がたくさんある状態が長く、何回もあると、膵臓が疲弊してインスリンの分泌が乏しくなり、血管内の糖を吸収できずに、血管内に糖があふれていしまいます。
これがいわゆる糖尿病です

そして、昨今では糖尿病になりかけている「糖尿病予備軍」がとても増えているようです。
その「糖尿病予備軍」に多く見られるのが
血糖値スパイクです。

血糖値は食事をしていると、通常は穏やかに上がり、緩やかに下がりますが、
糖尿病でなくても、インスリンのはたらきが鈍くなると、血中の糖を取り込めず、血管内に糖が流れ、急激に血糖値が上がるようになります。
その後、急激に上がった血糖値を下げようと大量のインスリンが分泌され、今度は急激に下がります。

血糖値スパイクは、血管内へのダメージが大きくなり様々な疾病の要因になります。

人工甘味料は血糖値を上げないから、影響ないのでは?

で、あれば血糖値を上げない人工甘味料だと身体には影響はないのでは?と思った方もいるかと思うので、人工甘味料についてもご紹介します。

人工甘味料は砂糖の200倍の甘みを感じ、かつ血糖値を上げません。

しかし、これもまた血糖値を上げないからといって過剰に摂取するのは身体には良くありません。

血糖値を上げない人工甘味料のものを多く摂取すると、低血糖のような状態になり、
脳はこの状態を打開するために、食べろ!
という反応が起こるようになるため、
よりいろいろなものを食べてしまい、
むしろ太りやすくなります。

また、先程書いたように人工甘味料は砂糖のら200倍の甘味があることから、元々の甘味を感じるセンサーが鈍くなり、血糖値を上げようとすると、より甘い物を摂るようにという指令が出るようになります。
つまり、甘みに対して鈍感になり、より強い甘みを欲するようになるのです。

そして、味覚を感じる口内だけでなく、糖を多く摂取しようと腸内にも反応が起こるようになります。
それは腸内に糖質が入ってくると、多くの糖質を吸収するようにと膵臓にはたらきかけ、インスリンの分泌を促進させる、というものです(↓イラスト参照)

以上のことから、人工甘味料を摂ると血糖値が上がらないから身体には影響ないとはいえない理由となります。

腸内環境への悪影響

腸内の悪玉菌のエサは糖質⁇

糖質は腸内の悪玉の餌になります。
腸内には「真菌」というカビの一種のようなものも存在しており、その真菌は糖を餌に腸内で繁殖します。

つまり糖を摂り過ぎてしまうと、腸内にカビが生えてしまう、とも言え、その反応が右腹部のエリアに出てきます。

例えば右の股関節の動きが鈍い、あるいは右の股関節が硬い、という場合、右側の腸腰筋が腸内の影響で硬く収縮していることが原因となっていることも考えられます。
というのも、腸腰筋は腸の近くを走行するため、隣接する臓器の影響(この場合は腸内環境の悪化による冷え)を受けやすいとも言われているためです。

この反応と左の膵臓、また腎臓のエリアである臍の周りに反応がある場合、明らかに糖が多くなっている状態と言えます。
症状ブログでも紹介しておりますが、↓のイラストがそれぞれの糖の反応エリアです。

それにより、腸内環境が悪くなり、

  • 腸内の善玉菌の減少
  • 免疫細胞が生成されにくくなる
  • 腸内にガスが発生しやすくなる
  • アレルギーが発症しやすくなる
  • 自己免疫疾患の原因となる可能性がある

などの現象が起こりやすくなります。

また、腸内環境が悪くなると、それを促進させる食べ物を食べたくなるようになり、糖質や脂質を多く含むものを食べてしまい、結果糖質過多になるという悪循環が起こってしまいます。

実は東洋医学においても腸内環境と糖質は深い関係があると考えられています。
腸や消化器系は東洋医学の五臓のひとつである「脾(ひ)」に該当します。
東洋医学では「五味(ごみ)」という、その味覚のものを摂りすぎると痛めやすい臓器があるとされていて、
「脾(ひ)」の五味は「甘(かん)」であるとされています。これは甘いものを表しています。
こちらについては腸内環境と脾との関係性で紹介しておりますので、是非ご覧ください↓

人工甘味料による腸内環境の変化

人工甘味料が腸内環境に与える影響についてもう少しご紹介したいと思います。
それは、人工甘味料は血糖値は上げないが、腸内細菌を変化させ、耐糖能異常の原因となる可能性があるということです。

耐糖能とは血糖値を正常範囲に保つ能力のことです。
耐糖能異常とはつまり、糖尿病ほどではないが血糖値が正常よりも高い状態を維持する、ということです。

耐糖能異常があると、

  • 糖尿病に進展しやすくなる
  • 動脈硬化などの血管系の疾患になりやすくなる
  • 糖尿病ほどではないが、腎機能、神経系の機能不全の原因になる

などが起こりやすくなります。

糖質と上手に付き合っていきましょう。

糖質は身体のエネルギー源なので、大事な栄養素であることには変わりはありません。

時代の変化とともに、昔は糖質は米や穀物から摂取し、今の砂糖などの甘味料は貴重な時代もあったのです。

その時代の方が長かったので、糖が身体に溜まるということがなく、インスリンだけで事足りていました。

しかし、現代のように米や小麦類を使ったパンや麺類などの穀物が増え、手軽にスイーツやお菓子、清涼飲料水がいつでも、多くの人が口にできるようになり、糖が身体に溜まり、糖尿病などの疾患が出てきたのです。

つまり、人間の身体はそこまで進化せず、昔の機能のままなわけです。

といっても美味しいものが多くて、つい手が伸びてしまいますよね。
それになんでも制限していては辛いし、つまらないと思います。
旅行先や誕生日などの特別な日では羽を広げて美味しいものを食べたくなるのが当たり前です。

ではそれでも身体の不調にならないようにするには、
普段の生活で節制して、特別な時のために余力をとっておくことをおすすめしています。
要は付き合い方次第なのです。
我慢する時は我慢する、特別な時は気にしない、というメリハリをつけると身体への影響は最小限に抑えられます。

糖質が原因で不調や痛みのある方にも↑のように提案すると、普段の生活がキツく感じる期間もあるが、慣れてくるし、特別な時に糖質を摂っても、翌日むくみや身体がだるいなどもなく、何より不調や痛みを気にすることが少なくなった、とおっしゃる方がとても多いです。

少し糖質多いかな…とお心当たりのある方はまずは普段の量の半分くらいに抑えられるようにしてみましょう。

期間は2週間。

長く、辛く感じることもあると思いますが、2週間経過すると意外とご自身から手を遠ざけるようになります。
そして、たまたま周りの方からいただいて口にすると、何であんなにいっぱい食べていたんだろうと思うようになるようです。

糖質は身体に溜まると代謝するまでにかなりの時間がかかります。
鍼灸ではこの溜まった糖質の代謝を促すことができます。
すると、先ほどのイラストの反応が消え、

  • 身体が軽く感じる
  • 季節の変わり目、天候の変化などに強くなった
  • 疲れにくくなる

といった効果も期待できるようになります。

かがみ鍼灸治療院